あっさりとした澄んだスープに、平打ちのちぢれ麺が特徴の「佐野ラーメン」。栃木県佐野市のご当地グルメとして知られている。
市内にはおよそ１５０もの店があり、行列ができる店も多い一方で、店主の高齢化などで閉店してしまう店も。そこで佐野市が始めたのが、「ラーメンの予備校」。ラーメン作りから店の経営までのノウハウを伝授し、独立・開業をサポート。後継者を育てようというのだ。
そんなラーメン予備校に今年６月に入学した生徒の１人、３９歳の和食料理人、佐藤さん。この春まで、単身赴任しながら東京の和食レストランで働いていたが、新型コロナが拡大する中、家族が暮らす栃木に戻ることにしたのだ。問題は仕事をどうするか…。その時見つけたのが「ラーメン予備校」だった。以前から「ラーメン店をやりたい」と考えていた佐藤さんは、独立・開業を決断。
一方、佐藤さんの妻は「ちょっとずつ、気持ちを切り替えないといけないのかな」と話しながらも、不安を隠せない様子…。「ラーメン予備校」で教えてくれるのは、老舗店の３代目。伝統の青竹をつかった麺打ちから、基本の材料を使った澄んだスープ作りまで学ぶ事は多いが、それらをおよそ２か月で身につけなければならない。そんな中、佐藤さんがこだわっていたのは自分流のスープの味を作ること。毎日、何回もラーメンを作り試行錯誤を繰り返すが、学校の最終日になってもスープの味は決まらないまま…。
そこで佐藤さん、和食料理人の経験を生かして、ある試みに取り組んでみることに。佐藤さんが作った渾身のスープ、師匠が下した評価は―。（2021年9月27日「news every.」より）
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